【メディア記事】ITmedia|Windows環境でiPadをサブディスプレイ化するフィギュア型マルチドングル「AERO DROP(JUAW22)」

1月 10 2026 – KIKI LIN

[渡辺まりか,ITmedia] 2026年8月12日
「せっかくiPadがあるのだから、これをサブディスプレイとして使いたいなぁ」と考えたことのある人は多いだろう。母艦となるPCがMacBookなどのmacOS搭載機であれば純正のSidecar機能を使えるが、Windows PCの場合は一工夫が必要になる。

 今回紹介するj5createの「AERO DROP(JUAW22)」は、Windows環境でiPadやiPhoneをサブディスプレイ化できるだけでなく、画像や音楽、動画などのデータ転送、キーボードやマウスといった入力機器の共有、iPadの“液タブ化”などを簡単に実現するアイテムだ。

 実機を試用する機会を得たので、その実力を検証していきたい。
「AERO DROP(JUAW22)」


  AERO DROPは、Windows PCとiPad/iPhoneとの間で、ケーブルを接続せずにデータの相互転送や入力機器(マウスやキーボード)の共有ができるワイヤレスマルチドングルだ。Windows PCからiPad/iPhoneへのディスプレイ拡張やミラーリング、さらにはiPad/iPhoneからWindows PCへのミラーリングにも対応している。

対応OSは、Windows 11/10、iPadOS 17/iOS 17以降(アプリはiPadOS 11/iOS 11以降に対応)で、第6世代のiPadでも利用できる。

 Windows PC側のイラストアプリやWeb会議ツールのホワイトボード機能に対し、iPadからペン入力を行うといった便利な使い方も可能だ。

 ドングル本体を収納するケースは、遊び心あふれる“スペースマン”フィギュアを模している。

正面 正面から見て右側 正面から見て左側
背面 足の裏には製品名などが印刷されている。なお、このフィギュアは単なるケースのため、保証対象外だ ケーブルを抜いたところ。この状態でも利用できる
首をもいd……もとい、ヘルメット部分を取り外したところ USBケーブルを外したところ。これがドングル本体である ドングル本体を抜いたところ




 複雑な形状のため実測値は大まかになるが、フィギュア部分は約40(幅)×37(奥行き)×54(高さ)mm、ケーブルと端子を合わせた長さは約90mm、重さは33.6gだった。パッケージには本体の他、使用説明書などが付属している。

それでは、早速使ってみよう。



難しい設定不要で直感的に使える

まずはWindows PCに専用ドライバを、iPadやiPhoneに「Wireless CrossLink」アプリをインストールする。

 Windows PCの場合はMicrosoft StoreでWireless CrossLinkと検索する。iPadやiPhoneの場合は、App Storeで検索するか、付属の説明書に印刷されたQRコードを読み取ってアクセスし、それぞれインストールを済ませておく。



Microsoft Storeで検索してインストール App Storeで検索してインストール



 続いて、スペースマンフィギュアからケーブルを抜き、Windows PCのUSB Type-Cポートにドングルを接続する。USB Standard-Aポートしか搭載していないPCであれば、フィギュアの頭部を外して露出するUSB Standard-A端子を利用する。

背面のケーブルを引き抜いてポートを差し込む(写真のノートPCはNECパーソナルコンピュータのLAVIEだ)



  ペアリングする両端末のBluetoothをオンにして専用アプリを開き、「Bluetoothペアリング」ボタンをタップする。接続中にペアリングの要求画面が表示されたら、「ペアリング」を選択して設定を完了させる。

Windows側 iPad側




設定が完了すると、両端末の画面に接続状態が表示される。
紛らわしいが、テキストがオレンジ色になっている方(この場合は「Wi-Fi」)で接続されている

Wi-Fi環境がなくても利用できる

AERO DROPは原則として同じWi-Fi環境下のデバイスをリンク接続するが、外出先でWi-Fiが使いづらい場合や通信が不安定な場合には、デバイス同士を直接リンクさせる「CrossLink Direct モード」が使える。iPad側のアプリ画面で「CrossLink ダイレクト」をタップし、確認メッセージが表示されたら「接続」を選ぶだけで切り替え可能だ。

iPad側のアプリを操作する。「CrossLink ダイレクト」の項目があるので、それをタップする 「接続」をタップ



 アプリ画面の接続ステータスで「Direct」の文字がオレンジ色になれば接続完了となる。
ただし、CrossLink Directモードの利用中はインターネット接続ができない点には注意が必要だ。

「Wi-Fi」の文字がグレーアウトして、「Direct」の文字がオレンジ色になる



役立つ場面は意外と多い

 気分転換にカフェなどのサードプレースで作業する際、ネックになりがちなのが「ディスプレイの狭さ」だ。筆者が普段使っている7型のモバイルノートPCはもちろん、14型のノートPCであっても手狭に感じてしまうことは多い。

 そこで、AERO DROPの出番だ。

 ペアリングを済ませれば、手持ちのiPadが即座にノートPCなどのサブディスプレイへと早変わりする。iCloud写真の自動同期設定を有効にしておけば、iPhoneで撮影した写真の取り込みもスムーズだ。

ここでもiPad側で操作する。ホストを確認して接続する 手持ちのiPadをサブディスプレイとして使う。Web会議のウィンドウを表示させたところ、快適であった
データ転送はAirDropのように、「写真」アプリから「共有」「CrossLinkWireless」アプリを選んで、転送先を確認してから「共有」をタップする 基本的に、アプリの「機能」や「情報」グループに格納されているのは、各機能の使い方説明である

 

 写真を原稿やブログ、SNSで使う際、これまでは「iPhoneで撮影→Google フォトにアップロード→PCにダウンロード」という手間をかけていたが、AERO DROPを使えば同期済みのiPad内の写真をドラッグ&ドロップするだけで完了する。

Apple Accountで、「iCloud写真」の同期をオンにしておこう



 「写真の取り込みは帰宅後にしよう」と後回しにすることがなくなり、出先での作業が大きくはかどった。

 また、iPad標準の「メモ」アプリで原稿の下書きをする際などにも、PCと同じキーボードを使い回せて便利だ。入力先の切り替えはデフォルトで「マウスの中央ボタンを押す」設定になっているが、中央ボタンがないシンプルな2ボタンマウスやトラックボール、PFUのキーボード「HHKB Studio」などの場合は「Alt+Shift+S」のショートカットキーで切り替えられる。



 iPad環境ではJISキー配列が正しく認識されないケースもあるが、
ローマ字入力であれば通常のタイピングにほぼ支障はない。
 一般的なBluetoothキーボードは複数端末のペアリング情報を登録可能だが、上限は3~4台程度だ。それならば、普段あまりキーボード入力を行わないiPadやiPhoneとの直接ペアリングは解除し、AERO DROP経由で切り替えた方がフットワークは軽くなるはずだ。空いたペアリングのチャンネルは、他の必須デバイスのために温存しておきたい。
KM設定から、切替方法を確認できる。これはPC側の画面だ AERO DROPのキーボードマウス共有機能を使って、iPadのメモに入力しているところ。濁点/半濁点、JIS配列キーボードの右端付近に位置するキーと対応する文字がイレギュラーではあるが、慣れれば何とかなりそうだ



 使っていないiPadを液晶ペンタブレット(液タブ)として再利用できるのもAERO DROPの強みだ。安価な液タブでも2万円以上はするが、AERO DROPであればAmazonで7255円で手に入る。これだけでiPadを有効活用できると考えれば、コストパフォーマンスは非常に高いといえる。

 もっとも、「それならiPad単体でイラストを描いて、クラウドなどにアップロードすれば済むのでは」という意見もあるだろう。確かにそれも一理ある。

 しかし、iPadの液タブ化が役立つのはクリエイティブ用途に限らない。例えばWeb会議中、言葉だけでは伝わりにくい“概念やイメージ”を即座に図示したいシーンで威力を発揮する。

 もちろんマウスでの描画も可能だが、社外の相手にいびつな図形を見せるのは少々気恥ずかしいものだ。

 AERO DROPがあれば、リンクさせたiPadを液タブとしてそのまま活用できる。
Apple Pencilなどで手書き入力ができるiPadなら、イメージ通りの図形や概念をスムーズに描画できるはずだ。



ノートPC内蔵のキーボードをiPadと共有できるのも見逃せないポイントだ。外付けキーボードならBluetoothや有線接続で使い回せるが、内蔵キーボードではそうはいかない。AERO DROPがあれば、愛用のノートPCのキーボードをそのままiPadやiPhoneの入力に生かせるようになる。
Web会議中にホワイトボードを使う。
今回は撮影のために立てかけた状態だが、通常のタブレットのように手に持てば、書きやすいだろう
ノートPCのキーボードをiPadと共有。ポメラ DM250のキーボード共有に近いタイピング感覚を味わえた



 Wi-Fi接続時は映像データが無線LANルーターを経由する仕様上、マウスポインターがカクつくことや、遅延により「iPad本来のスムーズな描画ができない」といった点には注意したい。

 とはいえ、フィギュアのような外観は所有欲を満たし、OSの壁を越えてデバイス間をシームレスに連携できる利便性は高い。外出先で使えば目を引き、話のネタにもなるだろう。GIGAスクール構想などで配布され、使われなくなって眠っているiPadを復活させる用途にもうってつけだ。

 AERO DROPは、その愛らしい見た目に反して、実用性に優れたプロ仕様のワイヤレスリンクドングルだった。



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